AI でメルマガを作成する方法と、送信前の確認点

AI でメルマガを作成するには、ブランド、読者、特典、制約をまとめた短い依頼文を渡し、下書きと複数の案を出してもらってから、事実・価格・表現・受信者の同意を自分で確認します。Tellnod のようなコネクタを使えば実際のプレビューと確認カードが加わり、あなたが承認したときだけ下書きが送信になります。

依頼から承認済みの送信まで#

  1. 5 行の依頼文を書く

    目的、読者、正確な条件を含む特典、取り上げる商品やストーリー 1 つ、入れてはいけないこと、を書きます。2 分で書ける短さですが、書き直しの大半がなくなります。

  2. 下書きと別案を頼む

    メール 1 通分の下書きに加えて、方向性の違う件名を 3 案、書き出しを 2 案頼みます。自分では思いつかない案が見え、合うものだけを残せます。

  3. 具体的な言葉で直す

    「導入は 1 文にして」「『上質な素材』ではなく生地の名前を書いて」のように、具体的に修正を頼みます。1 回の修正で変えるのは 1 点にすると、何が良くなったかがわかります。

  4. 事実と表現を確認する

    価格、日付、クーポンコード、商品の仕様、効果をうたう表現を、すべてショップの情報と照らし合わせます。AI はもっともらしい文章を書きますが、在庫システムの中身は知りません。

  5. プレビューとテスト送信

    スマートフォンとパソコンで表示を確認し、自分宛てにテストメールを送ります。件名、プレビューテキスト、フッターを受信者の目線で読みます。

  6. 送信を承認する

    配信先が受信に同意した人だけであることを確認し、送信または予約します。Tellnod のようなコネクタでは、あなただけが押せる確認カードがこの段階にあたります。

メルマガ作成で AI が得意なこと#

言語モデルは、メルマガ作成のうち文章を書く部分をすばやくこなします。専任のライターがいない小さなショップにとって、キャンペーンにかかる時間の多くがこの部分です。一方で、答えが自社のデータにある部分は苦手です。在庫数、実際の価格、誰が配信に同意したか、顧客が何を買ったか、などです。

キャンペーンで AI が役立つ作業と、自分で確認すること
作業AI が得意なこと自分で確認すること
下書き短い依頼文から、メール 1 通分を数秒で事実、価格、日付、リンク
別案比較用の件名、書き出し、ボタン文言を複数どれが正直で、ショップに合うか
文体同じ内容を、やわらかく、短く、丁寧に書き直す自分たちらしさが残っているか
翻訳海外向けの自然な訳文サイズ表記、通貨、法定表記、言い回し。できればネイティブに読んでもらう
セグメント案リピーターや特定カテゴリの購入者など、配信先の候補そのデータが実在し、対象者が同意しているか
結果の分析貼り付けた数字の要約と、次に試すことの提案配信数や曜日をそろえた公平な比較か

役割分担の目安として、案出しと書き直しは AI に任せ、何を、誰に、送るかどうかの判断は人が持ちます。

人が必ず確認すべきところ#

Anthropic 自身のガイドでも、Claude は事実と異なる文章を生成することがあり、重要な情報は必ず検証すべきだとしています S2。ChatGPT も同様です。メルマガでは、作り話の一文がそのまま顧客への約束になるため、次の 5 点は必ず人が確認します。

  • 事実と価格。 AI は情報の空白をもっともらしい内容で埋めます。ありそうな割引率、配送日の約束、生地の厚さなどです。実際の数字を依頼文に入れ、下書きと照らし合わせます。
  • 効果や品質をうたう表現。 米国の FTC は、広告が真実で誤解を招かないこと、そして広告を出す前に根拠をそろえておくことを求めています S3。「これまでで一番暖かいセーター」には根拠が必要で、「メリノウール 100%」は事実でなければなりません。
  • 件名。 CAN-SPAM 法は誤解を招く件名を禁じており S4、Google の送信者ガイドラインも、件名と差出人名は送信者と内容を正確に表し、実際の返信や転送でない限り「Re:」「Fwd:」を付けないよう求めています S5。
  • 同意。 AI は配信先を提案できても、誰が受信に同意したかはわかりません。同意の記録がある連絡先にだけ送ります。日本の特定電子メール法でも、広告宣伝メールの送信には原則として受信者の事前の同意が必要です S7。詳しくはメールマーケティングの同意と法律をご覧ください。
  • ブランドの声。 下書きはどうしても無難な文体に寄っていきます。声に出して読み、どのショップのメールでも通用しそうなら、自分たちならではの情報を足します。

FTC は、マーケティングメールを他社に送信させた場合でも、事業者自身がその責任を負うと明言しています S4。AI が書いた下書きも同じ考え方で、内容の責任は送信者にあります。

AI にブランドの情報を渡す#

Anthropic は、Claude を「有能だが社内のやり方を知らない新入社員」のように扱い、指示の理由も説明するよう勧めています。モデルは説明から意図を汲み取って応用するためです S1。メルマガでは、一度書いたブランド情報を毎回チャットの最初に貼るか、AI アプリの常設の指示(カスタム指示など)に入れておきます。

  • 自分たちが何者で、誰が買ってくれているかを 1 文で。
  • 文体を表す言葉を 3 つと、絶対にそうなりたくない言葉を 3 つ。
  • 使う言葉と避ける言葉(例:「衣料品」ではなく「ニット」)。
  • 常設の条件:送料無料の基準額、返品期間、割引の考え方。
  • 反応が良かった過去のメール 2 通を、例として全文。

ブランド情報の例

「私たちは Ninefold という小さなアパレルブランドで、ニット、アウター、ベーシックをオンラインで販売しています。お客様の中心は 28〜45 歳で、年に数点、良いものを選んで買い、素材とシルエットを大切にしています。文体は、飾らず、温かく、具体的に。使わないもの:あおり文句、感嘆符、『マストバイ』『ワンランク上』。『衣料品』ではなく『ニット』と書きます。¥15,000 以上で送料無料、返品は 30 日以内。セールは年 2 回で、根拠のない『今だけ』は書きません。以下は、お客様に好評だったメール 2 通です。」

形容詞を並べるより、例を見せるほうが効きます。Anthropic は、関連性があり多様な例をいくつか示すことを、文体や構成を整える最も確実な方法の一つとしています S1。OpenAI のプロンプトガイドも、例とモデルに必要な文脈を渡すよう勧めています S6。

AI っぽい無難な文章を避けるには#

無難な文章は、無難な依頼から生まれます。「新コレクションのメールを書いて」としか伝えなければ、AI はこれまで見てきた新作メールの平均を書くしかありません。次の習慣で、ほとんどは解消できます。

  • 1 通に具体的な情報を 1 つ。 糸の種類、紡績工場、コートのファスナーがダブルジップである理由など。AI はそれを軸に文章を組み立てます。
  • 避けたい言い回しを指定する。 使いたくない書き出しや言葉(「いかがお過ごしでしょうか」「ワンランク上の装い」など)を挙げ、お客様が読み飛ばすから、と理由も添えます。
  • テーマは 5 つではなく 1 つ。 1 つの商品と 1 つのクリック理由に絞ったメールは、人が書いたように読めます。
  • 最初の 1 文を削る。 下書きは本題に入る前の前置きから始まりがちです。いきなりニュースから始めるよう頼みます。
  • ボタンの文言は自分で書く。 「Harbor コートを見る」のほうが「詳しくはこちら」より明確です。
  • お手本ファイルを残す。 送った下書きと自分で直した箇所を保存し、次回は例として貼ります。

件名についてはEC のメルマガ件名の書き方を、すぐ使える依頼文はメルマガ作成に使える ChatGPT プロンプトをご覧ください。

送信前のチェックリスト#

  • 価格、クーポンコード、日付、終了時刻がすべてショップの情報と一致している。
  • 登場する商品が、記載したサイズと色で実在している。
  • リンク先が正しく、使っている場合は UTM パラメータが付いている。
  • 表現が事実で、根拠を示せる(素材、産地、「売れ筋」など)。
  • 件名とプレビューテキストが中身を正しく表し、偽の「Re:」や根拠のない期限がない。
  • 差し込みタグに代替表示があり、「様」だけの宛名にならない。
  • 配信先がオプトインした人だけで、配信停止済みと不達のアドレスが除外されている。
  • フッターに住所と、機能する配信停止リンクがある S4。日本向けには、送信者の氏名または名称、受信拒否の連絡先とその旨の表示、住所、苦情や問い合わせの連絡先も必要です S7。フッターチェッカーで確認できます。
  • スマートフォンで読み、自分宛てにテストメールを送った。

下書きだけの AI と、リストにつながった AI の違い#

Claude や ChatGPT だけでは、できるのは文章までです。そのあと配信ツールに貼り付け、レイアウトを組み直し、配信先を選んで送ります。MCP コネクタを使うと、AI がメール配信ツールを直接扱えるようになります。リストを読み、実際のメールを描画し、送信を準備しますが、承認はあなたの手に残ります。

チャット AI だけの場合と、Tellnod のようなコネクタを使う場合
工程AI だけTellnod を接続した AI
下書き別のツールに貼り付ける文章ブランドのロゴ、色、フォントを反映したメールの下書き
配信先別のツールで組み直す提案説明から作られたセグメント。人数が表示され、配信停止済みの連絡先は除外
プレビューレイアウトは想像するしかないデスクトップとモバイルで実際のメールを表示するプレビューカード
テスト別のツールで手作業頼めば自分宛てにテストメール
送信別のツールで実行配信数、除外対象、配信日時を表示する確認カード。「Confirm」を押せるのはあなただけ

Tellnod を接続すると、同じ依頼文がそのまま作業になります。たとえば「去年の冬にニットを買ったお客様に、新しいメリノのクルーネックを紹介するメールを書いて。割引なし、リンクはニットのページへ」と入力します。AI が下書きを作ってプレビューカードを表示し、あなたは言葉で修正を頼み、テストメールを頼みます。続いて AI が送信を準備すると、確認カードに、誰に届き、誰がなぜ除外されるかが表示されます。AI は「Confirm」を押せず、予約した送信は送られるまでキャンセルできます。送信はすべて、あなたが承認します。

それでも上のチェックは必要です。Tellnod は配信停止リンク、住所、同意の管理を自動で加えますが、本文の事実確認はあなたが行います。設定手順は Claude と ChatGPT のガイドにあります。接続ページからも始められます。Tellnod は連絡先 500 件、月 2,000 通まで無料です。詳しくは料金をご覧ください。

よくある質問#

AI にメルマガを書いてもらうことはできますか?

短い依頼文から、本文の下書き、件名、別案まで書けますし、頼めば書き直しもします。ただし、事実・価格・表現の確認、同意した人からの配信先選び、送信の承認は自分で行う必要があります。

AI が書いたメルマガを送っても法律上の問題はありませんか?

ルールが適用されるのはメールそのもので、誰が書いたかは問われません。日本の特定電子メール法では、原則として事前の同意が必要で、送信者の名称、受信拒否の連絡先、住所などの表示義務があります S7。米国の CAN-SPAM 法も、正確なヘッダー、正直な件名、住所、機能する配信停止を求め、責任は事業者にあるとしています S4。

メルマガ作成には Claude と ChatGPT のどちらが向いていますか?

どちらも、明確な依頼文と例があれば良い下書きを書きます。モデルの違いより、渡すブランド情報の質のほうが結果を左右します。Tellnod はどちらでも使えるので、すでに契約している方を使えます。

AI が書いたメールは迷惑メールになりやすいですか?

受信トレイに届くかどうかは、主に送信ドメイン認証、迷惑メール報告率、内容の正直さで決まります。Google は大量送信者に迷惑メール率を 0.3% 未満に保つよう求めています S5。詳しくはメールが迷惑メールフォルダに入る理由をご覧ください。

出典#

  1. [S1] Claude Docs: Prompting best practices, 確認日
  2. [S2] Claude Docs: Reduce hallucinations, 確認日
  3. [S3] FTC: Advertising FAQ’s: A guide for small business, 確認日
  4. [S4] FTC: CAN-SPAM Act: A compliance guide for business, 確認日
  5. [S5] Google Workspace 管理者ヘルプ:メール送信者のガイドライン, 確認日
  6. [S6] OpenAI API docs: Prompt engineering, 確認日
  7. [S7] 迷惑メール相談センター(日本データ通信協会):特定電子メール法, 確認日