ショップにとってのセグメント配信とは#
セグメントとは、「この 30 日以内に注文した」「アウターは買ったがニットは買っていない」といったルールで選んだ連絡先のグループです。セグメント配信では、すべてのメールを全員に送るのではなく、書き始める前に誰に向けたメールかを決めます。
効果は 3 つあります。内容が受信者に合うので、クリックや注文が増えます。望まないメールを受け取る人が減るので、配信停止や迷惑メール報告が抑えられます。そして、1 人あたりの受信数を増やさずに、全体としては配信回数を増やせます。Gmail は送信者に、メッセージを希望する人にだけ送り、迷惑メール報告率を 0.10% 未満に保つよう求めています S1。関連性を高めることが、その水準を守る最も現実的な方法です。
小さなショップで押さえるべきセグメント#
ニット、アウター、ベーシックアイテムを扱う小さなアパレルブランド Ninefold を例にします。定義しておく価値のあるセグメントを、口に出して言えるルールの形で並べました。
| セグメント | ルール | 送る内容 |
|---|---|---|
| 新規登録者 | この 30 日以内に登録し、まだ注文していない | ブランドストーリー、サイズガイド、初回注文のきっかけ(ウェルカムメール) |
| 初回購入者 | 注文が 1 回だけで、この 60 日以内 | お礼、お手入れ方法、購入品と合わせやすい商品(テンプレート) |
| リピーター | 注文が 2 回以上 | よく買うカテゴリの新作。基本的に割引は付けない |
| VIP | 注文が 3 回以上、または過去 12 か月の購入額上位 | セール開始前の VIP 先行販売、感謝のメッセージ(テンプレート) |
| 休眠顧客 | 60 日、90 日、180 日注文がない | 前回の来店以降の新商品、次にオファー(テンプレート) |
| カテゴリへの関心 | ニットを購入またはクリックした、アウターを購入またはクリックした | そのカテゴリの新作と再入荷(テンプレート) |
| 地域・気候 | 都道府県、地域、寒冷地か温暖地か | 住んでいる地域が寒くなる時期のコート案内、年末年始前の地域別お届け日 |
アパレルでは、地域の違いが思った以上に効いてきます。11 月の北海道と沖縄では必要なアウターがまったく異なり、全員に同じ「冬物コレクション」のメールを送ると、どちらかには合わない内容になります。
休眠の判定期間:60 日、90 日、180 日#
どのくらいの期間で休眠とみなすかは、顧客がふだんどのくらいの間隔で購入するかで決まります。まず自社データで注文と注文の典型的な間隔を確認し、それを基準に期間を設定します。リピート注文が年に 1〜2 回に集中する季節性のあるアパレルブランドなら、次の分け方が実用的です。
- 60 日: まだ関心が残っている段階です。新しいものを見せれば十分で、割引は不要です。
- 90 日: 関心が薄れつつある段階です。以前気に入ってくれたものを思い出してもらい、控えめな期間限定オファーを添えます。
- 180 日: 離脱しかけている段階です。はっきりした呼び戻しのオファーを送り、最後に今後もメールを希望するかを尋ねます。休眠顧客の掘り起こしガイドをご覧ください。
長期間クリックも注文もない登録者は、休眠した購入者とは別に扱います。掘り起こしのメールでも反応がなければ、リストから外すことが送信者の評価を守ります。方法はメールリストのクリーニングで解説しています。
RFM 分析をシンプルに使う#
RFM は、Recency(最終購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)の頭文字です。最後にいつ注文したか、どのくらいの頻度か、累計でいくら使ったかを表します。本来の手法では 3 つの軸それぞれで顧客を 1〜5 点で評価し、数十のグループに分かれます。小さなショップにそこまでは必要ありません。2 つの軸を 3 段階に分けるだけで、価値の大部分を得られます。
| Topic | この 90 日以内に注文あり | 90 日以上注文なし |
|---|---|---|
| 注文 3 回以上 | VIP:特典と先行公開 | 離脱しかけの VIP:個別の呼び戻し |
| 注文 2 回 | ロイヤル顧客:新作案内 | 離れつつある顧客:リマインドとオファー |
| 注文 1 回 | 新規顧客:2 回目の購入を後押し | 1 回きりの購入者:呼び戻し |
注文データが十分にたまり、金額で顧客の違いが見えるようになったら、購入金額の軸を加えます。たとえば購入額の上位顧客を、注文回数に関係なく VIP の行に移します。
小さなリストに必要なセグメントの数#
思っているより少なくて構いません。連絡先が数千件のリストなら、一度だけ定義した 20 個より、毎月実際に使う 4〜6 個のほうが役に立ちます。目安として、1〜2 件の注文で結果が大きく変わるほど小さなセグメントは、どれが効いたのか判断できるようになるまで隣のセグメントと統合します。
- 連絡先が約 1,000 件未満: 購入者と未購入者、休眠顧客のセグメントを 1 つから始めます。
- 1,000〜5,000 件: VIP、3 段階の休眠期間、カテゴリの分割を 1 つ加えます。
- 5,000 件超: 地域やより細かいカテゴリへの関心を加え、セグメントごとに結果を比べます。
「反応がある」の定義には、開封ではなくクリックと注文を使います。Apple のメールプライバシー保護は、メッセージの受信時にリモートコンテンツをバックグラウンドで読み込むため S2、誰も読んでいなくても開封が記録されることがよくあります。「この 90 日以内に開封した」というセグメントには、実際にはメールを見ていない人が含まれる可能性があります。
Tellnod を使って Claude や ChatGPT でセグメントを作る#
Tellnod を Claude や ChatGPT に接続すると、条件を組み合わせる代わりに、普段の言葉でセグメントを伝えられます。アシスタントは保存前に estimate_audience で該当する人数を数え、Tellnod は配信停止者とバウンスした連絡先をその人数から除きます。ショップのオーナーが入力しそうな依頼の例です。
- 「2 回以上注文しているけれど、この 90 日は注文していない顧客は何人?」
- 「それを『離れつつあるリピーター』というセグメントで保存して」
- 「去年の冬にアウターを買ってニットは買っていない人に、新しいメリノニットの案内を送って」
- 「この CSV の全員に VIP のタグを付けて」
注文に基づくルールには注文履歴が必要です。ショップから取り込むか、Claude で Shopify のコネクタを使っているなら、対象にしたい顧客を頼むと Tellnod がそれを配信対象に変換します。送信の準備ができると、確認カードに受信者数、除外される人とその理由、送信日時が表示され、あなたが「Confirm」を押したときにだけ予約されます。送信はすべて、あなたが承認します。Free プランは連絡先 500 件まで使えます。より大きなリストは料金を確認するか、Tellnod を接続して自分のリストで試してください。
セグメント配信でよくある失敗#
- 小さすぎて学べないセグメント。 受信者が十数人では、件名が効いたかどうかわかりません。数字に意味が出るまで統合します。
- 配信の重複。 休眠中で、しかもニットに関心のある VIP は、1 週間に 3 通受け取ることになりかねません。どのセグメントを優先するか決めて他を除外し、配信頻度の目安も確認します。
- 優良顧客への値引き。 リピーターや VIP は定価でも購入することが多い顧客です。割引より先に、先行案内や丁寧な対応を届けます。
- 更新されないルール。 「春に購入した」はすぐに古くなります。「この 90 日以内」のような期間を動かすルールにすると、セグメントが自動で更新されます。
- 同意を忘れる。 セグメントに入れられるのは、マーケティングメールの受信に同意した人だけです。ルールが何であれ、配信停止者と迷惑メール報告者は配信停止リストに残します。
セグメントを 1 か月の配信にどう組み込むかはECサイトのメルマガ入門で、セグメント配信を注文につなげる方法はメールからの注文を増やす方法で解説しています。
よくある質問#
メルマガのセグメントにはどんな種類がありますか?
ショップで役立つのは、顧客の段階(登録者、初回購入者、リピーター、VIP、休眠顧客)、購買行動(最終購入日、頻度、金額)、商品やカテゴリへの関心、反応(最近のクリックや注文)、地域です。
セグメントはどのくらいの大きさが適切ですか?
1 件の注文で結果が左右されない程度の大きさが目安です。小さなショップの定期キャンペーンなら、通常は数百人以上の受信者が必要です。VIP へのお礼のような個別性の高いメッセージなら、小さなセグメントでも問題ありません。
RFM 分析とは何ですか?
顧客を、最終購入日(Recency)、購入頻度(Frequency)、購入金額(Monetary)で分類する手法です。小さなショップでは、注文 1 回・2 回・3 回以上と、最近注文があるかどうかを掛け合わせる簡易版で十分です。
開封の有無でセグメントを分けてもよいですか?
クリックと注文を使ってください。Apple のメールプライバシー保護などの機能は多くの開封を自動で記録するため、開封に基づくセグメントは当てになりません。